法人概要

山本建夫理事長

 

【紹介】

山本建夫

昭和43年関西学院大学卒。
(株)テレビ朝日営業部長、営業企画部長、(株)BS朝日常務等を歴任。
平成17年テレビ朝日定年退職し、同年(株)ZIONを設立、社長に就任。
現在はNPO法人ソフトパーク理事長、株式会社ZION代表取締役社長、アドベンチャーコーチング株式会社理事、社会福祉法人 東京都社会福祉協議会 特別専門員も務める。

 

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言い聞かせることで自分の心が変わる

 

――「自分に克つ」というのは難しく思えますが、具体的にどのようなことなのでしょうか?

 

山本氏:
自分のビジョンを持つことです、たとえば消極的な人でも、
「私は積極的で、人前で話しをすることが楽しく、毎日朗らかに過ごしています。」
と言ってみましょう。
このように、なりたい姿、夢や希望を口に出すことです。たとえそれが現実離れした夢だとしても、自分の中で思い描くことが大切です。
「私はこうなんだ、これができるようになった」という希望のビジョンを描き、毎日それを口に出す、すると潜在意識の中にイメージが膨らみ、自分でそれを目指した行動がとれるようになってくるものなのです。

 

 

人を変えようとするのではなく、自分が変わる

 

――成功ビジョンや夢が実現するビジョンを常に持つことなのですね。

 

山本氏:
そうです。他にも、嫌いな人・苦手な人がいるとします。
学校にも職場にも、自分と会わない人・一緒に働きたくない人はいるでしょう。
だからと言って、その度にそこを辞めていてはきりがありませんので、ある程度の我慢や妥協はしなければなりません。
しかし我慢を続けるのもストレスですよね、そこで嫌いな人を好きになるにはどうすればいいかという事になるのです。

こちらが嫌な人だなと思っている場合、少なかれ相手も同じように思っている場合が殆どです。片方だけが一方的に嫌いっているという事は少ないと思いますが如何ですか?

 

――おそらく、こちらの嫌な雰囲気というのは相手も感じとっているからこそ、さらに険悪になるという悪循環があるように感じられますね。

 

山本氏:
はい。しかし考えてみれば、その嫌いな人にも家族・友人がいるわけですから、私が気づかないだけでどこか良いところがあるのでは?と発想を変えてみるのです。
そして、多少強引にでも長所を探そうとしてみてください。
たとえば、席を立つとき椅子を必ず戻す、行儀のいい丁寧な人だった。
電話でトラブルになっていても受話器は丁寧に置く人だ。
今までは「トラブルの多い人だ」としか見えていなかった視野を変えてみることで、微細であってもよく見れば長所は見つかるのです。

最初は小さな事でも、暫くすればその数箇所の長所が自分の中での大きな割合を占めるようになります。そして自分だけが発見した美点が大きくなり、悪いところが気にならなくなるのです。

 

嫌いな人に笑顔で挨拶が出来ていますか?

 

――自分が「挨拶していない」といわれない為の最低限の義務的な挨拶だけしかしないと思います。やはりこういった態度を示す事によって相手もこちらの雰囲気を感じ取っているのでしょう。

 

山本氏:
ほとんどの人がそうだと思います。では、それを少し変えて
「明日から、笑顔で“おはよう”と言う」
これを実践してみましょう。
今までは義務的な挨拶しかしていませんでした、自分が「挨拶してない」といわれないための挨拶でした。
しかし、ここで自分から変わってみましょう。
きっと相手も
「ああ、あの人は変わったな」
と嬉しい気持ちになるはずです。笑顔の挨拶に不快になる人はいませんからね。

 

――変えようとするのは些細なことなのですね。

 

山本氏:
はい。そんな些細なことでも自分が変わることで変えることができるのです。
そして人間とは贅沢なもので、たとえば肩がとても痛いときに小指の少しの痛みは気になりません。しかし肩の痛みがなくなれば小指の痛みをとても気にするようになります。
自分の部屋が無いときは部屋があるだけで嬉しいはずが、部屋が出来ると次はベッドが欲しいエアコンが欲しいTVが欲しいと言い出します。
それが物であれば物理的に解決できますが、人の場合はそうはいきませんからね。
少しずつでも自分の心を変えていかないと解決できないのです。
そして自分が変われば相手も変わってくれるものなのです。

 

「出来る」と思うことは強い力を持っている

 

――声に出してみることで意識が変わるというのは素晴らしいことですね。

 

山本氏:
はい。これにはかなりの効果があります。
たとえば受講生
「朝、夫婦喧嘩をしてきた人はいますか?」
と聞いてみると意外に多いのです。そして
「帰宅したときに、今朝はごめんねと言えますか?」
と聞いてみると、言えないと答える人が殆どです。
謝りたい気持ちはあっても、やはり言いにくいものではありますからね。その人達に
「私は帰宅したらすぐに“ごめんね”と言いました」
と書いてもらうのです。
先のことを作ってもらい、それを繰り返し声に出し続けることで自分の意識が変わり、実際に言えるようになるのです。

 

――スポーツ選手のイメージトレーニングにも通ずる部分がありますね。

 

山本氏:
まさに、その通りです。
「私は風のように走っている」「ホームランを打った」など成功したときのイメージをし続けることで、成功に向かって体が動けるようになるのです。
何も特別なことでは無く、あらゆる分野で使われ広まってきているものです。
有名な例がマラソンの高橋尚子選手ですね。
小出監督と出会った頃の彼女の記録は2時間40分くらいの選手だったそうです。
(2010年6月現在の女子世界記録はポーラ・ラドクリフ選手の2時間15分25秒)
監督はそんな高橋選手に可能性を見出し「君は2時間20分で走れる選手だ」といい続けました。
1分差がついてしまえば追い抜くのは難しいマラソンで20分も時間を縮めるのは容易なことではありません。
それでも監督はそう言い続け、そして高橋選手もだんだんとそう思うようになり「2時間20分で走るにはどうすればいいか」と考え始め、生活習慣や練習などを改善していったのです。
そして結果、シドニーオリンピックでの金メダルを獲得しました。
できる、やれると思うことは、強い力を持っているのです。

 

それぞれが自分で選んだ道にいる

 

――最後に、前向きに考えるということの大切さ、先生のお考えをお聞かせください。

 

山本氏:
はい。人生はすべてつながっています。
今あなたがこうして此処に居る事は、誰のせいでもなく自分が選択を経てたどり着いたものなのです。
「こんなはずではなかった、もっと出世していた」
そう言う人が多いですが、そんなことはありません。貴方が希望通りに選んだ道なのです。
「貴方と同期で入社して、貴方より早く出世した人の違いは何ですか?」
と聞いてみると、
「あいつは運が良かった、ゴマをするのがうまかった」
そう言いますが、では貴方は何十年も運が悪かったのですか?ということです。
もしかしたら同期の彼は、子どもの運動会も行かず上司の接待に付き合ったかもしれません、たとえば近しい人の不幸でも仕事をしていたかもしれないのです。
しかし貴方は子どもの運動会に行き、喪にも服したのではありませんか?
出世できた人は想像以上に家庭やプライベートの時間を犠牲にしています。
貴方は?
嫌な仕事はせず、運動会にも行き、間違っていると思ったことはしなかったのですよね?だから今に至るのではありませんか?
今の貴方は貴方の希望通りなのです、不満に思うことは何もありません。
同期の彼はストレスで胃潰瘍になって、運動会に行ける貴方をうらやましいと思っていたかもしれません。
でも彼はその道を選んだのです、それぞれが自分で選んだ道にいるのです。
隣の芝生は決して青くなどありません。
自分の庭の芝は上から見ているからムラが目立つだけであって、横から見ていて綺麗な隣の芝も上から見れば同じくムラがあるのです。
見る角度さえ変えればいいのです、少し変わるだけで見えてくる景色はまったく違うものになります。

 

インタビュー日時/2010年5月